天網恢々
□紅之館 第五章
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「もう嫌や!」
皆厨房を借りて手を洗っていた最中、突然ヒロナが叫んだ。
皆がそちらを振り返る。
「何で観光に来て殺人事件に合わなあかんのよ!」
「そ‥そうですね。この中に殺人犯が居るかもしれないですし」
次いで純平が物騒な事を言い出した。
それに皆頷き、口々にそうだと言い始める。
「雄哉を……殺した奴がこの中にいるって言うの?ねえ…誰なのよ!?雄哉を殺したのは!返して‥返してよ!」
夏帆が錯乱状態に陥ってしまった。
それを春子と秋子が宥めようとするが押しのけられてしまう。
「あなた達となんか居られないわ!私は部屋に籠もる!」
「待て!」
「放っておいて!大体あなたが犯人なんじゃないの!?死体を見ても冷静でいられるなんて!現場検証だと言って証拠を片付けていたのなら!?」
夏帆が叫んだ言葉に皆唖然とする。
そして皆が私を見た。
……この状況下だと下手に弁解すれば言い訳だと言われるだろう。
どうすれば…。
「皐月はそんな人間じゃないよ!」
私が何か言う前に操が皆に向かって叫んだ。
操…。
「操ちゃん、共犯者…じゃねぇの?」
「「「…!?」」」
だがそれを遮るように悠介がとんでもない発言をした。
皆が驚き、私と操から少し離れて距離を取った。
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