Reach out to the truth

□06話
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〇月×日・晴れ





旅の途中、思わぬ人物と出会った。ドクター・マルコーだ。実際に会った事は無いが写真で見たことがある。…見つけたら報告しろとも命令されている。



しかしドクターがいたのは田舎町だ。私さえ言わなければ知られることもないかもしれない。……、…何故こんな事を考えるのだろう。私にとってどうでもいい事のハズなのに…。いつからだ…?




…わからない。知らず知らずに変わっていったのかもしれない。まるで昔の私のように…。自我が芽生えはじめているみたいだ。
必要ないと消し去ったはずなのに…。


……エドワード達の影響だろうか。素直に喜べない。確かにあの時私は笑った。微かに、だが。
自我など昔に切り捨てたはずだ。目的の為に必要ないと。なのにまた…。

人と関わる事で感情が、自我が芽生えるというのなら切り離さなければ。この旅が終わったら、表に出るのは終わりにしよう。


──陽の当たらない暗闇へ。


太陽が眩しすぎて痛い。闇夜に身を隠す。人と関わるのも終わりにしよう。






太陽よ
どうか照らさないで
本当の私がさらけ出される




私は光の下で生きる人じゃない
…否、もう、人ですらない…──。


















───…、












「ちゃんと謝るんだよ、兄さんっ。」

「わーってるよっ。」

「なんですぐケンカしちゃうかなー。兄さんとサヤは。」

「知るかよ。」




エドワード、只今アルフォンスから説教中。

彼の心無い一言に始まったサヤとのケンカ。今回ばかりはエドワードが悪い…ハズ。

という訳で先ほどからアルフォンスに説教されているエドワード。










『エドワードっ!』


遅れてエドワード達と合流したサヤ。汽車はまだ到着していないようで安堵する。





「ん?、遅ーぞサヤ。」

「またそんな言い方して、」

「どこへ行っておったのだ?」

『ドクターの家に。言い残した事があったからな。─エドワード、ほらっ。』



ベンチの背もたれにもたれるエドワードのそばに寄る。案の定、なんだよ。と予想通りの返答に心中で苦笑い。


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