Reach out to the truth

□10話
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〇月✖日・曇り




今日でこの軍のホテルともさよならだ。
次いつ東にこれるか…。

スカーは大丈夫だろうか。
もうここにはいないのだろうな
次会えばきっとまた戦うことになる。

…覚悟はある。でも出来れば戦いたくはないなぁ





また、会えるかな…。























スラム街





『リック、おじいさんは?』

「サヤ姉ちゃん!じっちゃなら向こうにいるよ」

『ありがとう』

「…姉ちゃんも行っちゃうんか?」


悲しげな顔するリック。
小さくうなずけば、そっかぁと元気の無い声が届いた。
そんな少年の頭をくしゃと撫でてやる。



『もう会えないわけじゃないんだから。そんな顔しないで』

「…うん。でもおっちゃんも行っちゃったし…。姉ちゃんまで行っちゃったら…」



寂しいとまでは言わなかった。
言わなかったが、その顔にしっかりと書いてあった。

行かないでほしい、と。



「おまえさんも行くんじゃな」

『はい。どうかお元気で』

「このスラムを代表して感謝の礼を言わせとくれ」

『そ、そんな。大したことなんて…』



いきなり頭を下げられたら、どうしたらいいのか分からなくなる。
あたふたしていると、次第に人がたくさん集まってきて次々にありがとう、や気を付けて、またおいで、など暖かい言葉をたくさん掛けてくれた。




『(ここは暖かいところだなぁ…)』


忘れかけていた温もりを思い出す。
以前リゼンブールでも感じた、安らぎ、穏やかな心地。

それがここにもあった。


『ありがとう。また、来ます』

「気を付けての」

『はい』







こうしてサヤもまたスカーと同じようにスラムを去っていったのだった。









「なぁ、じっちゃ」

「なんじゃ」


「おれ、サヤ姉ちゃんの笑った顔初めて見たかも」

「ほっほっほ。何かいい事でもあったのかもしれんのぉ」



















『〜〜♪』

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