短編

□今日から彼氏
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「…あの、食満先輩。」
「ん?どうした、作兵衛。」
「この体勢はおかしくないですか?」
「なにがだ?何もおかしい事はないだろう。」
「いやいやおかしいですよ!なんで俺が先輩の膝に座ってるんですか!」
「なんでってお前、一緒に用具倉庫の出庫表を確認してるからだろう。」
「そうですけど、別に向かい合って座れば済む話じゃないですか。」
「だがこの方が見やすいじゃないか。」
「確かに見やすいですけど、俺ももう三年生なんで、いくらなんでも膝抱っこはないですよ。喜三太たちなら別ですけど。」
「別に問題ないだろう、この位。付き合ってるんだから、これ位の密着は可愛いもんだ。」
「はぁ。…って、えぇ!?先輩と俺って付き合ってるんですか!?」
「何惚けてるんだ。俺がお前を好きで、お前が俺を好きなんだから、そういう事になるだろう。」
「えぇ!?先輩なんでその事知って…、ってか、先輩俺の事好きなんですか!?」
「…はぁ、今更何を言ってるんだ。決まってるだろう。」
「決まってませんよ!初耳ですって!」
「初耳ってお前…。確かに直接好きだとは言ってないかもしれないが、普通態度で分かるだろう?」
「分かりませんよ!言われなきゃ!」
「そうか。うん、好きだぞ作兵衛。付き合ってくれ。」
「わわわわッ!!いいいきなり何言ってんですか!?」
「だから、作兵衛が好「わぁー!!わわ分かりましたからそう何度も言わないでください!!」
「なんだ作兵衛照れてるのか?」
「そんな事ありません!!」
「ふ〜ん。…あ、そういえば作兵衛から好きだと言われてないな。」
「ッ!!……言いませんよ。」
「なんでだ?俺の事が好きだろう?」
「………………………、そうですけど…。」
「〜〜〜〜ッ!!作兵衛ー!!」
「わわッ!!ちょっ、先輩、苦しッ!!」
「あぁ、悪い悪い。嬉しくてつい力が入ってしまった。許せ、作兵衛。」
「〜〜〜〜ッ!!…別に、平気です。」
「そうかそうか。それじゃあ改めて、今日からよろしくな、作兵衛。」
「ッ!!………………よろしく、お願いします…。」
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