TALES OF THE ABYSS
□うそつきのわたし
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あーあ。導師の奴、死んじゃった。
あ、消えちゃった・・・か。レプリカだし?
まあ仕方ないよね。
あんな甘ちゃん消えて当然!
(何これ、もう一人の私?・・・違う!私そんな事思ってない!!)
あ、「表の」私じゃん。
なぁーにが『違う』って?
あいつを殺したのは、あんたでしょ。
両親が人質に取られていたからって言い訳するつもり?
(殺・・・私が、イオン様を・・・殺した・・・・・・それは、)
事実。
紛れも無い現実。
そう。私は――――――
突き放されるように現実へと引き戻された私は、ただただ己を嫌いになることしか出来なくて。
そして、
「だって私にはどちらかを選ぶ事なんか出来ない・・・・・・」
言い訳。
嘘。
それらを並べる事しか出来なくて。
『あの日』から本当の私は居ないように、
抜け殻としての何も無い生活を送って。
止まる事など無く、ただ時間が過ぎていくだけだった