タイトル
□だから、心配なんだ
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リナリー
僕の大切な妹
もう一人にはしないよ
ずっと兄さんがそばにいるからね
「お兄ちゃん〜!」
司令室のドアを開けて、泣きながら僕に近づくリナリー
デスクに座り、山積みの書類にハンコを押していた僕は、泣き止まないリナリーを見て優しく抱き締めた
「リナリー、どうしたんだい?」
「怖いよ…お兄ちゃん」
教団に"黒い靴"の適合者として、無理矢理、連れてかれたリナリー
僕は教団に入り科学班室長の地位についた
3年ぶりの再会だった
無理もない
リナリーは僕に会うまで、部屋に軟禁された状態だったのだから
自由に外にも出してもらえなくて、何度も逃げようとして失敗し、一日中ベットに縛りつけられたままだったのだ
団員達が怖くて今だに、僕の傍から離れない
「大丈夫だよ、リナリー」
僕はリナリーを見つめ、にこりと微笑みかける
「僕はもう…どこにも行かないよ」
「本当に?お兄ちゃん…?」
「うん、本当だよ」
リナリーは安心したのか泣き止んだ
それでもリナリーは、まだ10歳
甘えたい年頃なのだろう僕の予想した以上に甘えてくる
「お兄ちゃん」
「リナリー」
僕はリナリーを膝の上に乗せ、書類にハンコを押し続ける
僕のそばにくっついて離れないリナリー
そんなリナリーを見て安心した僕
正直言って、ここまでの道程は苦労の連続だった
アクマに両親を殺された僕とリナリー
行く宛も無く彷徨っていた僕等は、中国でリナリーと引き離された
黒の教団の"エクソシスト"と名乗る者が、リナリーをイノセンスの適合者と言うことが分かり、教団に連れ去っていった
僕は、やっとの思いで教団の場所を突き止め、必死に勉強した
すべては妹を支え、そばにいる為
兄として妹を守る為に
コムイは一心にリナリーへ愛情を注いだ
そして月日が過ぎ…
大きくなった16歳のリナリーは、コムイの愛情を受け、"黒い靴"のエクソシストとして、成長を遂げた
りっぱに成長したリナリーは、花のように可憐で美しい
どこぞの虫(男共)が狙っているのかと思うと、僕は心配になって夜も眠れない
可愛い妹を守る為なら何だって出来る
リナリーが寂しい思いをしないように
リナリーと再会するまでの3年間
僕は寂しくてたまらなかったのだから
それからと言うもの僕はいつものように、任務から帰ってきたリナリーに抱きつく
「リナリイィィィィィィ!!」
だから、心配なんだ
(僕の可愛いリナリーが、傷物にでもされたら大変だからね)