小説(アニメ
□Nunnally.
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桜が舞う4月上旬。
僕は一人トボトボと桜坂を歩いていた。
普段はこんな所に来ないわけだが、なぜか今日は来る気分になったのだ。
多分世界に退屈している自分が、ここにきたら少しでも変わるのではないかと思ったからだ。
両端にある桜が異世界にきたような気分にさせてくれる。
僕は桜に陶酔していた。
そこで僕は天使を見た。
天使なんてこの世にいるわけがない。
そう思っていたのだが、あれは確かに天使だった。
そして天使は僕の腐った心を一瞬で奪った。
白いワンピースをゆらゆら揺らす彼女は桜の花びらとたわむれていた。
彼女と一緒に花びらが舞っている。
まるで踊っているかのよう。
僕はその舞う花びらの中に入りたい衝動にかられた。
躊躇なく彼女に近付く。
ゆっくり、ゆっくりと。
とうとう目の前に来ると僕は彼女に話しかけた。
「こんにちは、天使さん」