Poetry
□hitori
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涙を流したいトキ 私は独りで泣いていた
袖が濡れるのも気にせずに 目が腫れるのも気にせずに
ただ気が済むまで 涙が枯れるまで
ずっと ずっと 泣いていたんだ
絶望して 世の中が嫌いになって
なにより 弱い自分が大嫌いで
殻を作って 逃げ出した
見えないようにした
そして泣いたんだ
でもね、今日は違った
見えないけど 確かにあなたはそこにいて
私に少しの言葉をくれたんだ
時間にしてみれば たった数分の出来事
人生にしてみれば たった一瞬の出来事
でもそれで 私の心は軽くなった
殻が自然に 壊れていくのが分った
そのとき 私は一人で泣いたけど
違ったところは 「独り」 ではなかったこと
もし 今 私が言葉を紡ぐのならば
たくさんの ありがとうを
―あなたに
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