Others

□お遊びです
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○ふと空を見上げると
⇒雨がぽつりと頬をかすめる。
静かに見上げた空に、彼の顔を浮かべた。
もう一度…貴方に会いたい。



○無空間の中で
⇒ただ君を思う。
君と過ごした時間は、とても色鮮やかで
今でもそれは宝物のように大切に胸に残っている。
これは、僕の運命なのだろうけど、もし望んでもいいのなら。
こんな僕が何か願うことが許されるのならば。
もう一度、お前に会いたい。
―…フィリア。



○いつもの場所で
⇒貴方を見つめる
言葉の少ない、食器の音が響く部屋。
紅茶と茶菓子と、本を捲る貴方と私。
話と言った話はあまり無いけれど…
私はそれで、幸せなんです。

どうかいつまでも、こんな柔らかい時間が続いていきますように…。





○真っ赤な純血は
⇒留まることを知らず流れ続ける。
痛みは感じない。後悔もしていない。
だが…もうお前と過ごす時間が無いことだけが、少し心残りだと思う。
…大丈夫だ。
僕がいなくても、お前なら生きていける。
スタン、こいつに怪我をさせたら許さないからな。
お前は頑丈なだけが取り柄なんだ。こいつを僕の変わりに、守ってやってくれ。
…頼んだぞ。

真っ赤な純血は、青に飲み込まれた。



○交差点の真ん中で
⇒足を止めた。
手を、差し伸べてもいいですか?
手をとってもいいですか?
一緒に行きたいんです。
一緒に生きたいんです。
貴方と、共に。



○透き通るような
⇒何にも染まっていない無垢な瞳。
自分のような汚い人間が触れることも出来ないような、綺麗すぎるもの。
自分とは正反対のものだけど、でも。
願うなら、もう少しだけその瞳の中に自分が映っていたらいいと思う。
例えそれで、傷つくことになったとしても…



○砕け散ったそれは
⇒もう戻ることは無い、かけがえの無いもの。
何よりも大切なそれは、残酷な運命を残してなくなってしまった。
ほんの少しの欠片でも良い。
どんな辛いものでもいい。
全て無くなってしまわないよう、私の胸に大切に、いつまでも大切に残したいから。



○無数の星に
⇒美しいと零す、隣に座る若草の女。
確かに僕は星を愛でることもあった。
星を眺めることが好きだった頃があったと思う。
でも、それは過去の話。
今は…フィリア。お前のほうが比べ物にならないぐらい無垢で美しい。
「……フィリア」
…星にまで嫉妬してしまう自分を嫌悪するのは後にしよう。
今、彼女の瞳には自分しか映っていないのだから。




○限りあるもの
⇒時間、命。
貴方は、幸せでしたか?
少しでもいい。幸せと感じる時間があってほしい。
これは…私の我が侭ですが。
その時間の中に少しで良いから、私がいたら嬉しいです。
リオンさん…祈っています。
どうか、安らかに…。



○手を差し延べた君は
⇒戸惑い気味にその手を重ねた。
耳まで顔を赤く染めて、淡い新緑の髪で瞳までは見えないが、恥ずかしいですと全身で語っているようだ。
それも全て全て愛おしく感じる。
彼女の仕草も言動も…存在自体が愛おしい。
昔の自分なら考えもしなかったことだろう。
これも、きっと彼女のおかげなのだ。
小さく口元に弧を描き、彼女の顔を覗き込んだ。

「…ほら、行くぞ」
一緒に、幸せになろう。




○こぼれ落ちる涙さえ
⇒貴方は全て隠してしまう。
一人で背負い込んで、誰にも見せないで。
弱い部分も、一緒に支えあっていきましょう。
隠す必要なんて無いんです。どんな姿を見せたってリオンさんはリオンさんです。
大切な仲間に違いないんですから。
一緒に、進んで行きましょう?

そういうと彼は、静かに目を見開いてから、小さく笑みを零した。
「まったく…お前には敵わないな」
一緒に進む。お前となら…出来かもしれないな。
そう言った彼の表情は、普段とは比べ物にならないぐらい柔らかかった。




○そして僕らは
⇒共に歩んでいく。
僕たちならきっと大丈夫だ。
もう二度と離れない。二度とあんなことは起こさない。
二度と…お前を一人にさせない。
どんな道も二人で進もう。
そう、誓うから。



○不確かな
⇒貴方だから、時々不安になるんです。
目が覚めたら消えてしまうんじゃないかって。
また居なくなってしまうんじゃないかって。
不安に、心配になってしまうんです…。

そう言うと、横にいる彼は、器用に腰に手を回し優しく私を抱きしめた。
「…大丈夫だ。どこにもいかない。お前を一人になんかさせない」
その声に私は酷く安心して、回された手を握り締めた。
ちゃんとここに居る事を確認するかのように。
温かさを確かめるように。
「…もう寝ろ。明日もやることがあるんだろう」
「…はい」

優しい温かさを惜しむように、私はゆっくりと瞼を閉じた。
窓から差し込む月光が二人をいつまでも見守っていた。




○大好きな君へ


○大好きな人に

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