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□囚われ
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入った部屋は電気が付いていなく薄暗く、かろうじて人の姿が見えるぐらいだった。
その薄暗い部屋の片隅にあるベットに体育座りをしてうずくまっている刹那を見つけた。
「……どうした?」
「………なんでもない」
「何でもないわけないだろ」
刹那の目尻に溜まった涙を指で拭い、ベットに座る。目は赤く腫れて泣いていたのが丸分かりだ。
「こんなに腫れてる」
「……お前には、関係ない」
下を向いてしまった刹那をロックオンは抱き寄せて抱き締めた。
「離せ」
「少しだけ…。兄さんと事で泣いてたんだろ?…聞こえたんだ」
「っ…」
「なぁ、刹那。俺は兄さんの代わりになれるかな?」
「……お前とアイツは違う」
「………そ、か。でも今はこうしていてもいいよな?」
いくら待っても返事は返ってくる事はなかった。ゆっくりと腕の中に納めていた刹那を見ると、いつの間にか寝息を立てて寝ていた。
きっと、泣き疲れたんだろう。
「安心してくれたのかな……」
目尻に軽くキスするとピクリと反応する。でも、起きないで再び眠りに着いた。
「……また、…か」
自分のと違って色んな物を持っていた兄。
そして自分が欲しいと思った全てを持っていた兄。
目の前にいる刹那さえ、兄の物
愛してしまった人までも―
「なんで…こんなに愛してるのに……刹那……」
貴方は死してなお、彼の中を離れない
それなのに貴方を恨む事ができないんだ
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