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□囚われ
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「…………?」
夜、ロックオンが寝れなくてプトレマイオスの中を歩いていた。
すると、とある部屋で泣いているような声がしていた。
(……………刹那?)
刹那の部屋からだった。
普段は意志の強い彼が泣くなんてあり得ないのだとロックオンの中での刹那のイメージが邪魔する。気付かれないように壁に耳をつけて中の音を聞いてみる。
((……ニー………ル…))
聞こえてきたのは紛れなく兄の名前。
刹那は兄を思ってる泣いている。ただそれだけの事なのに胸が苦しいくらいに締め付けられた。
兄、ニールは4年も前に死んでいて弟の俺は双子の兄に代わってガンダムマイスターとして入り、その時初めて刹那に会った。
意志の強い目をしているが、誰も頼ろうとしなく、面に表情を出さないのが彼の悪い癖だとロックオンは知った。
耳を壁から離してドアごしに名前を呼ぶ。
「刹那、」
「っ!?………誰だ…」
少なからず殺気が伝わってくる。
「俺だよ」
「……ライル?」
「なぁ、入っても「駄目だ」
返ってきたはやはり否定の言葉。だか、そう易々と了承するはずもなくドアを開けた。
「邪魔するよ」
「なっ!?」
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