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□愛しい君の眠りのキスを
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「なぁ、ロックオン」
「ん―?」
「……お前は、ずっと俺の事好きでいてくれるのか?」
そんな会話が聞こえてきたのは、現在午後11時のロックオンの部屋から。
何故刹那が自分の部屋に居なく、ロックオンの部屋のいるのかと言うと眠れなくって困っていた刹那がロックオンを頼って部屋を訪ねてきたのだ。
「なんだよ急に?」
藪から棒に何を言うかと思っていたら、さっきの言葉。
眠れないからと訪ねてきた刹那をロックオンは自分のベットに招き入れる。すると嘘のように刹那はウトウトしだす。
「…やっぱりイィ。忘れてくれ」
刹那は目を閉じた。
「…………刹那?…寝たのか?」
「……………」
寝たのかと頭を撫でてみると、目元をピクピクさせて顔が赤く染まる。どうやら、寝たふりのようだ。刹那の様子を見て思わず顔が笑顔になった。
「……刹那。俺は、刹那を愛してるよ。もし刹那が側にいてほしいなら側にいてあげる。何度も何度も抱き締めてあげるから」
ロックオンの言葉が途切れ、ロックオンは刹那を自分の胸の中に抱き抱えた。
「……ロック」
さっきまで閉じられていた刹那の目蓋は少し開いていて、そこから赤い、綺麗な瞳が覗いている。
「寝な。お前が寝るまでこうやってやるよ」
「……ん」
安心したのか、刹那は1分もかからないで寝息をたてはじめた。
胸の中にいる子は小さくて暖かい。表では無口で人に触られるのを嫌いな刹那だが、心の中では寂しくて不安だったに違いないと思う。
「今だけでも、その不安が安らげればいいな………」
そういって目を閉じた。
安らかな夢を
あの子に幸せを……―
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