書物
□夕焼け色
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ずっと昔…
俺は人間を傷付けた。
唯一の主――
―――――安倍晴明を。
悔やんでも悔やんでも足りない。
真っ暗な穴の底にいた。
俺の心は閉ざされた。
もう開くことはないと思っていた…。
ある時、その心に光が射した。
晴明の後継として生まれた1人の幼子。
俺を見て怖がらず笑ってくれた。
俺に手を差し出してくれた。
まだ舌足らずなのに「れーん」と呼んでくれた。
その子は――――。
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