書物
□彰子の想い
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親戚以外で同じくらいの歳の少年。
白い異形のものを連れて、邸の庭にいた。
「これが見えるの?」
見えることに驚いていた。
「あき…こ…?」
恥ずかしそうに名を呼んでくれた。
「蛍を見に行こう。」
初めて約束をした。
「あなたを守ると約束した陰陽師。」
名を呼べば、いつも私を救ってくれた。
私の運命(サダメ)は変えられた。
でも、あなたの傍にずっといられる運命の方がいい。
とても、優しくて
とても、あたたかくて
とても、強くて
とても、弱いひと。
その声に、笑顔に、あなた自身に何度も助けられた。
私にとって大切なひとは。
End