架けた流星
□【登校日 @】
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蝉の声が朝から鳴り響き、最悪な目覚めで布団から起き上がった。
今日は夏休みの中間報告という名の無駄な登校日。提出である図画工作を鞄に入れ、身支度を整えた。
その宿題とは粘土細工の貯金箱。なんとも小学生並の宿題だとヤミに笑われた。
でもヤミの手伝いのお陰で、芸術的な貯金箱が完成したのは誰にも言えない秘密だ。
『たぶちゃんよろしくね』
≪こんなやつ放っておいても、死にやしないさ≫
そう言うけど、結局はちゃんと世話してくれるし、やさしい幽霊だとは最近感じている。
『じゃあ、いってきます』
≪あぁ≫
少しはこの環境にも慣れたようで、色んな表情を見せてくれるようにもなった。
ほんとに、素直じゃないやつだ。