架けた流星
□【真正面から】
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「あはははっ、うわあっだって!あいつ逃げたぜ?!やっぱりそう思ってたんだよ、最低だなぁ」
「福戸野・・ちょ、やりすぎじゃね?」
「うるせー」
教室からはざわざわとし、私を貶してきた男子たちの声がぼやぼやと嫌でも頭に響いた。
美笠さんは、友達だったんだ。
前の私の、友達だった。
『美笠さんっ!!』
「お、おい!!!!神山!!逃げんのかっ」
男の子の腕が私の左手を掴もうとしたけど、掠めて空気を掴んでいた。
そんな事関係なしに、雪はがむしゃらに足を前に出し、教室を後にした。
そして、チャイムが鳴る。
雪は、走り出した。
ただ、あの表情が
あの美笠さんの、辛い表情が脳裏に焼き付いて
離れなかった。
分からないけど、なぜだか、今居る場所が分かるような感じがする。
足が不意に動いてる、そんな感じ。
いつも、そこで、あの子と居たような・・・
遊んだり、お喋りしたり
友逹だったからだよね。
ガッ…ゴツッ…
私は咄嗟に頭を叩いた。
どんなに叩いても記憶が戻るわけでもないけど。
なんとかして、思い出してよ。
大切なの・・・・もう二度と無くしたくないの
『うぅ…うわあああぁッ!!!!』
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教室では、担任の先生が戻ってきて異常事態だと直ぐに悟った。
「皆は教室で待機。福戸野くんは、放課後残りなさい!!」
「・・・ちっ」
「せんせー、私もアンナちゃん探しに行きますっ
いつもお昼休み、その場所で過ごしてたから〜そこかも」
「・・・・わかったわ。一緒にお願い」