小説

□だいすき。
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石化している黄河文明を最初に見つけたのはメソポタミア文明だった。

それからメソポタミア文明の叫び声で皆が起きて来て、

とりあえずインダス文明がパニクっているメソポタミア文明をなだめ、

ルビーと蹴人が黄河文明の救助にあたった。





「……で、何があったんですかー?」

ルビーはヘタレな男達を差し置き、
固まっていた理由を聞き出そうとする。

「………実はな、」

黄河文明は俯きながら朝OVERにいわれたことを話しだした。



「………っつーことがあったんだよ……」
「「「「…………はぁー。」」」」

「……な、なんだよ。」

四人が同じ様にため息を吐き、
黄河文明を呆れたように見つめる。




「…なぁ、黄河文明。今日何の日か知ってる?」

「え?」

「ここまで世間知らずだとは思わなかったがな〜。」

「は?」

「あーぁ。OVER様可哀相っ!」

「え?」

「いーい?黄河文明、今日はね!」

「………」

「「「「エイプリルフールっ!!」」」」







「っあああっ!!!!」









「チッ、面白くねーな。」

まさか黄河文明がエイプリルフールも知らないなど、考えてもいなかった。


「クソっ」

大嫌いと言った時の黄河文明の顔は
中々面白かったが、やはり後味が悪い。


教えに行くか……
だかそんな格好が付かないことをするのは俺のプライドが許さねぇ。

ブツブツと考えてかなりの時間がたったか、部屋にコンコン、とノックの音が鳴り響いた。


「……入れ。」


ガチャリと開いたドアの向こうには、



「OVER様、」

「………黄河文明、」


OVERをまっすぐ見つめる黄河文明の姿、
だがOVERが名前を呼ぶと、すぐに俯いてしまった。



「黄河…、「俺も、」

文明。と言い切る前に
黄河文明は口を開く。


「…俺もOVER様のこと、大っ嫌いです!」
真っ赤になりながら、黄河文明はOVERに叫ぶ。


「「……………」」





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