小説

□*バレンタインデー話ー♪ ってはやっ!まだまだだよ! 2
1ページ/5ページ








―スイートチョコレート―









「また子殿は…これか、晋助は…あ、後白夜叉にも…」





万斉は、ぶつぶつと呟きながら大量のチョコレートを手に取り、カゴに入れていく。



「お通殿にも……マネージャーさんもいるでござるな。」




ポイポイとカゴにチョコレートを入れる万斉の手がピタ、と止まった。




「……これは…。」




万斉の目に写ったものは…………。

























その日の鬼兵隊は、いつに無く騒がしかった。





「また子さんっ!これ受け取って下さい!」



「また子さん!」



「あぁもう!黙れッス!大体今日は女から渡す日だろ!なんであたしが貰わなきゃなんないんスか!」



「そんなこと言わずに!受け取って下さいー!」



「いやだぁ!!」




群がる男達の中、また子は走って逃げた。















「はぁ、もう追ってこないスね……、」



ガラガラ、と会議室のドアを開く。と、



「―っ!!なんスかこの甘ったるい匂いはっ!」



部屋中に広がるチョコレートの甘い香り。その中に倒れている鬼兵隊のいつものメンツ。








「武市先輩…大丈夫ッスか?」




「……、ば、さいさ…ん。が………」


「は?万斉が?」











「鼻が……、鼻がきかねぇ……。何もみえん…っ!」


「ぎゃー!ちょっ似蔵!どこ触ってんスか!ってかなんで血まみれっ!?」



「もぅ……駄目。。(ガク)」


「わー!似蔵が死んだっスー!ちょっと!放してから死ねぇ!!」









「また子……はやくアイツをとめやがれっ!………このままじゃ………俺らがっ死ぬ!」



「晋助様ぁっ!?万斉のやろー!何してんスか!!」





また子は叫びながら、匂いの強い台所へと向かった。




ガラガラガラ!


「万斉ぃー!!」







そこでまた子が見た光景は、
















「あ、また子殿。なんでござるか?」




懸命にチョコレートを作っている万斉


(緑色のエプロンに、サングラスは外し前髪をピンでとめ、頬にチョコレートというすごい格好)でした。




また子はさっきの馬鹿共の言葉を思いだす。








『……、ば、さいさ…ん。が………』

『……俺らがっ死ぬ!』









「(あいつらぁぁぁぁぁ!!変態も大概にするッス!)」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ