宴の文庫

□第2章〜4〜
2ページ/2ページ

刃がぶつかり擦れ合う
ギギッ

埒が明かない小競り合いが続く…
このままでは無駄に力を消耗するだけ、そう判断したシリウスはジンの刃を薙ぎ払い距離をとる。

「集え、氷結なる刃…冷泉を侵し彼の者を貫け。氷結吹泉華〈ソルレイヒート〉」

ドン!という音を立てて氷柱が華のように地から突き出し、ジンの体に傷を付けていった。

「…!…っグ…!」

ジンは後ろへ飛びのき、体勢を立て直す。

「チィッ!炎風刃〈スレイヤ〉!」

炎の風がシリウスに向かって放たれた
ゴォォォォオ!
轟音を立て踊り狂うようにうねる炎を寸前で避ける。

「あれ…もしかして。」

ポツリと呟いたユリア
その声に気がついたシュウは…

「どうした?」

シリウス達の戦いを食い入る様に見つめていたユリアが確信したように言葉を発した。

「あの男!…神話に出てくる破壊神についてる六死神(ろくしじん)の一人だよ!」

「は!?嘘だろ!」

叫び声を上げた瞬間だった

「うそじゃねぇぜ!」

「!ッ…ユリア!!」

ジンはシリウスに攻撃せず、生み出した炎の針刃をシュウ達に向かって放った。

「しまッ…!」

間に合わない…
シュウとユリアは迫る針刃に体を動かすことができない。

「きゃぁぁぁあ!」

邸内に悲鳴が上がる




「…チッ!伏せろ!シュウ、ユリア!」
シリウスの声が響いた…そして

ヒュッ…ドドドドドド!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ