宴の文庫

□第1章〜1〜
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「この街への訪問、誠にありがとうございます。シリウス様。」

きらびやかな装飾が施されたイスに腰掛けシリウスを迎えたのは40代半ばの男。
数mはなれたところに佇むシリウスに頭を下げる。

「・・・この街へ訪問した理由、騎士団長であるアンタなら、わかっているだろう?」

シリウスの問いに騎士団長は顔を顰め少しの間沈黙し途切れ途切れに言葉を紡いだ。

「・・・妖人の・・・こと、ですね。」

シリウスはコクリと頷いた。

「あぁ、今この街を包み込もうとする闇は、妖人によるもの・・・そして原因であるモノを潰さなければ、街は・・・沈む。」

突きつけられた現実、シリウスの言葉に騎士たちはざわつき始める。
シリウスがざわつく騎士たちに怒声を浴びせようとしたその時

ドォォォオン!!

爆音とともに大きな地鳴りが襲った。

「な、何だ!?」

おさまったと同時に一人の男が広間に飛び込んできた。

「た、大変です!妖人が城に侵入し、聖騎士たちが次々と・・・!」

男の言葉にシリウスは銃声の聞こえる方へ走り出した。

「神子様!」

騎士団長の声を気にも留めず・・・。



「チッ!・・・っら!」

ズバァ!!
城の入り口前、人の死体が転がり血が飛散する中・・・ただ一人妖人に立ち向かう人物がいた。
それはあの時シリウスに刃を向けようとした
シュウ・J・ストーリア

「足掻け、足掻けぇ!ハハハハハハ!!」

狂喜し高笑いする妖人に苛立ちながら刃を振るう。
辺りは数十匹の妖人・・・鳥型や人型、さまざまな姿の化物に囲まれシュウの体力は削られていく・・・。

「・・・・っうぅ・・・」

上がっていく息、自由に動かない身体

「どうしたら・・・」
「終わりだぁぁぁぁあ!!」

ニヒルに笑い肘から下を刃に変え、妖人はシュウに向かって刀身を振り下ろした。


『もう、ダメだ・・・!』
そう、思った・・・
ガキィィィィイン!!



〜続〜
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