宴の文庫

□第2章〜6〜
1ページ/3ページ

「シリウス様、さっきの…何で破壊神の配下である黒死神があそこに?」

宿にて静寂を破ったのはユリアだ。


ジンが去った後、宿に戻ったシリウスは怪我の治療をしながらユリアとシュウ…二人の質問に耳を傾けていた。
そして、数分の無言の後、気味悪いくらいの静寂を破ったのがユリアの言葉だった。

黒死神が何故、現れたのか…

「破壊神とともに封印された者それが黒死神というのは知っています。でも何で…」

ユリアの言葉にシリウスは…

「封印された奴が現れたのか…知りたいと?」

ユリアはシリウスを真剣な表情で見る。

「教えてください、何かご存知なんですよね?」

「俺も…説明してほしい。」

シュウもユリアに賛同し、シリウスに向き直る。

「…数年前、この世界を襲った大災害を覚えているか?」

少しの間をおき、話を始めるシリウス。
ユリアはシリウスの問いに思い浮かんだ言葉を口にした。

数年前…この世界を震撼させた大災害

「世界震動〈アース・ドライブ〉…それが一体?」

「それが起きた原因…それが破壊神の解放。」

シリウスの一言に、ユリアとシュウが驚愕した。

「な、どういうことだよ!じゃぁ、闇の力が強くなって妖人が増えたのは…。」

「破壊神が解放されたから!?…でも一体誰が…」

破壊神を解放し、黒死神を従えるほどの力を持つ者
世界震動〈アース・ドライブ〉を起こした者

「…カイ・D・アース…闇を従えるモノ」

シリウスは顔を顰め、その名を口にした。

「シリウス…?」

「私は大神の命で、この地上に降りてきた。そいつを…世界の命運を侵す、カイを殺すために…」

静寂の中、部屋にシリウスの言葉が響く。
シリウスは、シュウを見据えて

「この旅は、シュウ…お前が考えているよりも危険なものだ、それでも…お前はついて来るか?」

真剣な表情、シリウスの言葉に掌を握り締め、シリウスと視線を交える。

「気持ちは変わらない。俺はついていく。」

その言葉にシリウスは

「何のために?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ