立海・氷帝

□ななめ後ろ
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高校を出て早3ヶ月が経った頃


大学に進学しないで地元に就職した私はそろそろ友達が恋しくなってきた時期だ



季節も梅雨を迎えてじめじめした中で仕事に勤しんでいるとき、先輩に一通の通知を渡された


「新入職員勉強会について」



会社の仕組みや給料についての説明等々

あくまで任意参加だがお弁当が付くとの事で私は早速参加にまるを付けた





勉強会当日


通常勤務の後、勉強会が行われるので急いで会議室へ

普通に仕事をしてからだから疲れきった体を奮い起こして会議室に入る


受付を済ませばお弁当を渡され資料を貰って席についた


用は済んだしもう帰りたいなぁ…と、思いつつ自由席だったので真ん中あたりに座る


周りは喋ったり大人しくしてたり、まさに十人十色


ケータイをいじるわけにもいかず私は大人しく座っていた



始まる5分前くらいになった頃...、誰かがちょっと急ぎ足で入ってきた

振り向けば見慣れないスーツを着た、……丸井君


丸井君も今年入った同期
私は高卒だけど丸井君は大学を出てから入ったから年齢的には4つ上

仕事場の建物まで違うのでめったに会うことはないが、夜飲みに連れて行ってくれたりオフでは少し親交がある


………そして私の想い人


優しいのに格好良くて少し話しただけなのに恋に落ちてしまった



ただ、こういう集まりで会う時は何だか緊張してよそよそしくなってしまう


「お疲れさまです」

丸「お疲れさま」


振り向いて言えたのはその一言。


なんだか話せる感じじゃないんだよね…。



私は彼を意識しながら何事もなかったように、ただ前を見て座る


ドクンドクン…


すごい緊張


すると彼は私のななめ後ろの席に座った



胸が踊るように嬉しくて叫びそうになる



丸井君が後ろにいる

…そう思うと気になって気になって集中できない



勉強会が始まってからも後ろが気になってどうも頭に入ってこない


なんだか学生に戻った気分だ




後ろで今どうしてるんだろ

同じページを見てるのかな

でも私も視界に入るよね

髪とか変じゃないかな



なんだか、幸せだ




丸井君

大好きです



この言葉を口にする事はできないのだけど………。




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