□偶然と出会い
2ページ/3ページ



私が所属する立海大附属中競技かるた部は歴史ある部活動の中で、去年できたばかりの歴史浅い部だ

でも実績は冬の大会で団体全国優勝、個人も優勝と輝かしい実績を残している


部員数は1、2年しか所属しておらず、全員で19名と立海大では小規模な方だ




水「風間、今日はこれで終わりでいいな?」

風「あぁ、終わりにしてくれ」

水「今日の練習はここまで。一年生は札の配置の仕方、二年は決まり字をきちんと洗い直すこと。…解散」


「「「ありがとうございましたっ」」」



今、解散と言ったのが二年生の水上虎之介。
ものすごく頭の切れる人。
家柄がすごくいいとこのお坊ちゃんらしいが、詳細はあの眼鏡が隠している


水「風間、今度の大会のことだけど…」


そして風間さんと仲がいい。
部長を支える良い右腕だ
この人がいなかったらかるた部は成り立たないだろうな


二人のやりとりを遠目に見ながら、帰り支度をしていると天海先輩が私のところにやってきた


「お疲れ様です!!」

夏「おつかれー」


天海先輩は先ほどの試合の汗をまだ流したままだ


夏「葵ちゃん、今日は負けたけど次は負けないからな」


さっきの試合、6枚差
序盤は天海先輩ペース

途中、私が゙しらつゆに゙を取ったあたりから流れが変わった


「どうでしょう。私だって負けませんよ」

夏「一回やったんだ、次は絶対勝つ!!」


そうやって燃える天海先輩はとても素直でまっすぐだ


「クスッ…そうやってムキになるから風間さんにいじられるんじゃないですか」

夏「なっ、トーヤのやつ」

「また、よろしくお願いしますね。…勝つのは私ですけど」


荷物を手に取り立ち上がる


「お先に失礼します」

夏「葵ちゃん帰るの早いよ」



ぶつぶつと言っている天海先輩を背に私は部室から出た





「ふぅ〜」


外は空気が違って気持ちがいい

頭に残った熱気をうまく発散できた気がする


のびーを一回して脱力


リフレッシュ完了!!


今日もかるた会にでも行ってもうちょっとがんばろうかなー、と思いながら鞄の中の手帳を探す


ん…?
ない
手帳がない

手帳には予定とか宿題とかテストの日程とか、生活に必要なことをメモしている

ないと大問題だ

思い返すと………、教室だ
帰るとき机に忘れてきた


はぁ、ついてない

はやくかるた会行きたいのに


一応宿題とか予定も覚えてるけど、手帳がないと落ち着かないので教室に戻ることにした






次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ