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※同高校設定


ねぇ……


ねぇ、ハル……


私は……あなた、が……









「好き、です……」


少し離れた前方の席に座る彼女、三浦ハルを執拗に(と自分で言うのもおかしいけれど)見つめながら誰にも聞こえないような声で愛を囁く。

今のような休み時間中でも、授業中でも、私の学校での日課はこれ。

いつまでも伝えることの出来ない、けれど決して曲がることのないこの想い……を。


「(いつか…ちゃんと言える日がくるのだろうか……)」


こんなことしてる自分が気持ち悪い。

でも、気持ちを一番よく分かってるのは私だから……やめろなんて、言えない。やめるなんて出来ない。


「(気持ち悪い…よね……ハル……?)」
















「何してるの」


…………びっくりした。


「……雲の……人……」


放課後の教室に一人残っていた私。

見回り…なのだろう。
トレードマークである風紀委員長の腕章を付けた彼が、いつの間にかドアの所に立っていた。
いつもは声なんて掛けてこないのに……「何してるの」、なんて、一番嫌な質問だ。


「骸様は……いない、けど……?」
「そんな事聞いてないんだけど?」


少し苛ついたような口調で言われて、私は俯いた。

ツカツカと歩み寄られ、何を言われるのかと内心すごく怯えていると……


「いい加減やめたら?」
「…え……」


言葉の意味が分からなくて、顔を上げる。

彼の視線は、私ではなく窓の外に向けられていた。


「三浦のこと……諦めなよ」
「っ……!」


心臓が、跳ねた。

何で何で何で。
何で知ってるの……?

あまりの衝撃で、息が苦しくなってきた。


「毎日毎日、彼女のこと怖いくらいに見つめて、小さい声で告白じみた言葉を呟いて……」
「っ…ぁ……」
「放課後はこうして新体操部の観察、ね……全部知ってるよ、僕」
「!!」


さも愉快そうに笑いながら話す彼。

私は嫌な汗が流れ出るのを感じながら、必死に言い訳を探していた。


「そんなこと…ない……勘、違い……」
「…………」


途端に不機嫌な顔をする彼。

不快感がこっちにも伝わってきた。


怖い……逃げたい……。


私が目を反らした瞬間、彼は乱暴に窓を閉めた。

その行為に、私は体を震わす。


もう、やめて。
出てってよ……。


「ねぇ」
「……」
「ねぇって、ば」


ガンッ、と…私の後ろにあった机をひと蹴り。

私はまた、心身ともに震えた。


「話してるんだからさ、僕の顔見なよ」


何なんだろうこの人は。

ゆっくりと顔を上げる……きっと私、泣きそうな顔してるんだろうな……。


「分かってないようだから敢えて言ってあげるよ。その弱い頭でしっかり受け止めるといい」




















「君、気持ち悪いよ」


汚いものを見る目で彼は、そう言った。


頭が、真っ白になった。

私は、気持ち悪い。気持ち悪い。キモチワルイ。


ぐらりと視界が反転したような気がして、私は床に膝をつく。

雲雀恭弥は淡々とカーテンを閉め、静かに教室から出て行った。

足元の私になんか気にも留めずに……。




窓で遮断された外から、ほんの少しだけハルの楽しそうな声が聞こえた。

そんな声にも愛しさを感じて、私は無意識に耳をすませる。


アア、マタソンナコトシテ……。



「ひっ……!」


どうして私はこうなんだ。

ああ気持ち悪い!気持ち悪い!


耳を強く塞ぐ。

自分が、怖い。



「っ……うああ゛ぁああ゛あぁ!!!!」





それでも思ってしまうのだ。ハルに会いたい、と。



『気持ち悪いよ』



「っう…っひっく……っ」


もう、嫌だ……


…頭がおかしくなりそう、だ……








助けて……





「骸、さ……ま……」











(そう……それでいいんですよ、クローム……)


内部破壊の計略


(クフフ……ありがとうございました、雲雀恭弥)
(別に。楽しめたよ)




********
…ようは徹底的に髑髏を虐めたかったのです←

解説…全部骸が雲雀に頼んでおいたことです。髑髏に真っ当な道を歩かせるために。雲雀は本来ならばそんな頼み聞かないんだけれど、実はハルの事好きだから協力してやった的な。

ちなみに新体操部がなぜ外にいるのかと言うと、校舎周りをランニングしてるからです(^o^;)

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