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三浦ハルという娘は私が嫌いらしい。
会う度に避けられていて、顔を見ると「はひー!!」なんて叫んで逃げて行っちゃうの。
原因は、ボス。
私がこの前、再びボスに"あいさつ"をしたのがいけなかったみたい。(しかも彼女の目の前で)
後から聞かされたの、彼女はボスが好きなんだって。
どうしよう…
「どうしましょうねぇ…」
「はい…」
今は骸様と話せる短い時間。
その貴重なひとときをこんな馬鹿げた(いや、私としては大事なんだけど)相談事に費やすなんて、犬や千種が聞いたら何て言うか…
「クロームはどうしたいのですか?」
「…仲良くなりたい、です…三浦ハルと…」
「だったら簡単な事です」
骸様はニコッと笑うと、人差し指を立ててこう言った。
「彼女にもすれば良いんですよ。"あいさつ"を…」
*
骸様と話し終えてからすぐに、私はボスの家に行った。もちろん、ボスに会うためじゃない。
「はひっ」
「あ…」
思った通り、三浦ハルはそこにいた。(他にも色々いるけど気にしない)
「げっクローム髑髏…!」
「久しぶりなのなー」
「ど、どうしたの?いきなり…」
何て返せば良いかわからないから、とりあえず無視。それに、用があるのは三浦ハルだけ。
「ハ…ハルは帰りますっ」
「待って…!」
ぐっと腕を掴むと彼女は顔を歪ませた。
「っ何するんですか!?」
骸様に言われた事を思い出す…。
『三浦ハルにはちゃんとクロームの気持ちを伝えなくてはいけません』
「放してくださいー!」
『仲良くなりたいのなら、相手を周りより特別に扱うのが効果的でしょう。つまり…』
「いい加減に…!!」
「ハ…ル」
私は三浦ハルの両肩を掴み、顔を近付けそのまま…
『特別な"あいさつ"をするんです』
ちゅっ
彼女の唇にキスをした。
「「「な゛っ…!!」」」
「っ!!!!????」
周囲が一斉に固まった。
みるみるうちに紅色に染まっていく彼女の頬。(というか、顔全体…)
「はっ…はひー!!何するんですかー!?ハルのっ…ファーストキスがっ…!!」
口をパクパクさせて驚くばかりの三浦ハルに、いまだに何も言えず呆けているボス達。
なんだか変…
でも…これで少しは私の気持ち、伝わってたらいいな。
「…あいさつ」
唇から始めましょう
(クフフ…クロームが素直な子で助かりました…←確信犯)
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変態骸w実は結構好き…←