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□think about the best method
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解ってるよ。これが最善策だ。



ああ〜、遅くなっちゃったかなぁ

村田は血盟城の廊下を走っていた。
大理石の廊下にキュッキュとスニーカーの足音が刻まれているが、城の主が毎朝立てる足音と比べてテンポが格段に悪い。
競歩よりちょっと早い程度のペースで進んでいるだけなのに、息は上がるわメガネが曇るわ疲労の割りにスピードが出ないわろくなことが無い。
誰かと違って走る必要がある人生を過ごしてこなかった体のマラソンコースには、この城の廊下は長すぎた。
それでも学校のマラソンではソコソコに走る程度の大賢者が、誰もタイムを取らないマラソンに挑戦しているのにはわけがある。

好きな子に勉強を教える約束をしてるからだ。
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