つづりうた/花

□春
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エリカ


“謙遜,休息”





生まれくる歌と
流れゆく想い

淡く儚い
雪粒の白さに
肩をすくめ
透明な輝きに
瞳(メ)を凝らせば


昨日までの憂いは
小さく小さく
丸め込まれ
たおやかな春に
姿を変えていた


冬の名残の
曇った滴(シズク)は
休息の旅に出て

またどこかで
今日の調べを
奏でている


きらきらきらと
ひと粒ずつの結晶になって
春の雪粒が
リズムを刻む


自慢するでもなく
卑屈になりもせず
満面の笑みで
歌を口ずさみ
私の心を
鷲掴みにする


それは
したためていた想いにも似て
臆病風どこ吹く風よ


健全なる酸素と水と太陽の光
土と勇気と
たおやかな春


生まれくる歌と
流れゆく想い
想いは止どまり
新たな歌となって流れくる




     2006/6/10
   (c)Ami♪あみ
 
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