宝物
□Star Light Festival
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「やぁだ、本当に美朱は泣き虫ねえ。そんなに涙を流されたんじゃ、私が涙の海に沈んじゃうわ」
そう言って笑みを浮かべると、柳宿はもう一度、口付けをした。
今度はさっきよりももっと深い、蕩けるような甘い口付け。
「あんたが好きよ。あんたが私を好きでいてくれる限り、星宿様にも、鬼宿にも、もちろん他の仲間たちにだって、あんたを渡したりはしないわ。―――大切にする」
「柳宿…、ありがとう」
気持ちを伝えて良かった。
とても怖かったかれど、貴方に想いを告げられて良かった。
こんな素敵な気持ちを、数多の星が散らばる空の下、貴方と二人で共有できるなんて、夢みたい。
「美朱…」
「柳宿…」
満天の空に輝くお星様たちよ、どうか、私の願いを叶えて下さい。
これからもずっと、彼の傍に。
いつの日かあの空に輝く星になってしまっても、彼の傍で、輝いていられますように。
どうか、叶えて……。
《完》
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