∞連載Novel∞

□【1】異世界からの来訪者
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初夏のような陽射しが眩しくて

私は目を開けようとしたけど、暗闇から出てきた時のように、ぎゅっと瞼に力が入ってしまう

ここは…どこだろう?

目をとじたまま、耳を澄ましてみる

小鳥たちのさえずりと
ザワザワと木葉が揺れる音

少なくとも、街中じゃない

寝そべっている地面からは、草の匂いがしてくる

こうしていると何故か、五感は懐かしいような不思議な感覚を引き出して

状況を整理するより早く
眩しさに慣れた目を開いて、私はゆっくりと起き上がった


「これって…『異世界の迷宮』?」

辺りをぐるりと見渡すと
私は森の中に立っていて

高い木々の隙間から、透き通った青空が広がってる

「わぁ…」

胸の奥がドキドキするのは、大好きなRPGの世界だからかな

ゲームでしか見たことのない短剣を脇に身につけて
白い革が張られた胸当てと膝当てが、いかにもそれっぽい

…って

そんなこと言ってる場合じゃなかった
早く皆を捜さないと――

「出口の方角は…」

右手に続く道のむこうを見ると、木々が途切れてるのがわかる

抜け道かもしれない

とにかく、街を見つけて情報を集めなきゃ
…RPGの基本よね

私は足早に歩きはじめた



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