Novel別館■GS2
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『その下の素顔』〜瑛編〜
教室のドアを開くと
窓から射し込む朝焼けの光に目を細めた
窓際の席
逆行を浴びて机に向かう瑛くんの姿
髪の毛が少し光に透けて、まぶしい
それに、いつもと違うメガネ姿
「だって…カッコ悪いじゃん、眼鏡」
ふてくされる様に瑛くんは言うけど
「…私はいいと思うけどな
いつもと違う瑛くんも、いいよ…?」
手を伸ばして
眼鏡をそっと取ると
驚いたような瞳を向けられる
「…何だよ…?」
さりげない一言に、鼓動が速くなる
「私の顔…見える?」
「…んー…」
唸りながら顔を近づけて
キスの距離まで止まらない
「ちょ…て、瑛くん…?」
「大丈夫…見えない、見えない」
「私には十分見えるからっ!…んっ…」
抗議する声も、甘い唇には抗えない
誰もいない教室
朝焼けの中の二人
彼が予習に戻るまで
もう少しこのままで――
End.