Novel別館■GS2

□過去拍手SS
1ページ/1ページ

『その下の素顔』〜瑛編〜



教室のドアを開くと
窓から射し込む朝焼けの光に目を細めた


窓際の席

逆行を浴びて机に向かう瑛くんの姿

髪の毛が少し光に透けて、まぶしい

それに、いつもと違うメガネ姿


「だって…カッコ悪いじゃん、眼鏡」

ふてくされる様に瑛くんは言うけど


「…私はいいと思うけどな
いつもと違う瑛くんも、いいよ…?」

手を伸ばして
眼鏡をそっと取ると
驚いたような瞳を向けられる


「…何だよ…?」

さりげない一言に、鼓動が速くなる


「私の顔…見える?」

「…んー…」


唸りながら顔を近づけて

キスの距離まで止まらない


「ちょ…て、瑛くん…?」

「大丈夫…見えない、見えない」

「私には十分見えるからっ!…んっ…」


抗議する声も、甘い唇には抗えない


誰もいない教室
朝焼けの中の二人




彼が予習に戻るまで

もう少しこのままで――





End.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ