Novel別館■GS2

□『It Takes Two』
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バス停での、待ちぼうけ

冷たい風が、木々をゆらす


そのさざめきが、僕の心とシンクロして

ぽつりぽつりと落ちてきた粒が、空を仰ぐ頬を濡らすと


ただただ、名前も知らないキミの顔を思い出す


初めて会った時のキミに胸の奥を擽られて

この想いに気づいたのは、別れた後の雨の中


――もし

もう一度、逢えたら

次は名前を訊こう


ついでに、メルアドくらいは教えてくれるかな

そしたら、キミとメールして

キミの事を、もっと知りたい


「もし…か」


偶然でしか会えない

キミの事も、待ちぼうけ




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