∞連載Novel∞

□第1章:睦月の迷宮
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「あれから改良を重ねて、
これからサブローにテストプレイしてもらうとこなんだけどよォ」

「サブロー先輩に…?」

私が身を乗り出すと、クルルは踵を返した


「別に、たいしたモンじゃねぇから心配すんな。簡単すぎて、退屈なダンジョンRPGってヤツだ」

「ちょっ…待ちなさいよ、クルル!」


…あやしい!

ヒネクレ者のクルルが、そんな事言うなんて
…ってことは――


「ホントに、そうなの?」

「ククッ、疑うんなら自分で確かめてみれば?」

言いながらリビングを出ていく


「やっぱり…あやしい」

ゲームを見ると、もうオープニングが終わっちゃってて

私は電源を切ると、急いでクルルの後を追った



地下基地の広いフロアに足を踏み入れると
目の前に、SFに出てくる実験室のような大きなカプセルが並んでいた

この中に絶滅危惧種でもコレクションしてたりして…
やりかねないから、なおさら不気味なのよね…

「な、何なのよこれ…」

「おれ様のコレクションだぜぇ、クックックッ」

冷たい床を鳴らしながら、カプセルに歩み寄り、中を覗いてみると

「…ぼっ、ボケガエル!?」

ヤな予感は、さらに最悪な展開に裏切られた

その両隣には冬樹とギロロが、静かに眠っている

まさか死んでるわけ…ないよね


「クルルっ!あんた――」

「隊長たちは、先に楽しんでる。あとは日向夏美、あんただけだぜ」

さらに隣を覗いていく

タママ、ドロロ、モアちゃん、桃華ちゃん…そして、サブロー先輩も――



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