月夜の桜

□〜異世界への旅立ち〜
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2008年、春―


ここは、桜神高校。たくさんの桜の木と桜の花びらが舞散るなか、桜神高校の生徒たちが登校している。2年2組の教室では、一人、胸まで長い黒髪を二つに縛りなおしている桜川鈴歌(おうかわすずか)がいた。

「ふぅー。今日から新学期か。勉強がんばらなきゃなぁー。また悠夜にバカにされる。」

髪をしばり終えたあとそうつぶやいた。

「おい。」

低い声が鈴歌の背後からきこえた。

―こっ、この声は……

恐る恐る後ろを振り向くとそこには、月城悠夜(つきしろゆうや)がいた

「悠夜!!いっ、いつからそこに…!?」

「おまえが独り言いい始めたとこから。つかお前は、昔から俺に勝ったことねぇーだろうが。いろんな意味で。」

「そっ…それは……そうだけど。」

鈴歌と悠夜は、幼稚園からの幼なじみだ。鈴歌は、昔から負けず嫌いで特に悠夜に負けることが一番悔しい。しかし、鈴歌はいろんなことで勝負をいどむが勝つことは、数少ない。

そんな鈴歌とは、違って悠夜は、頭が良くて運動神経もいい。部活も剣道部でいい成績をもつ。
そしてなにより鈴歌をからかうのが大好きだ。そんな悠夜でもいざとなったら鈴歌をたすけてくれる。
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