幻想 −鬩ぎ合い−

□委ねる視線 (熱い視線X)
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宴会がお開きになったとき、もちろん私は酔ってなどいなかったけれど、
このままひろみさんから離れたくなくて、ひろみさんの肩に頬を傾けたまま寝たふりをしていた。



きたろうが、心配して、ひろみさんから引き剥がそうとしたけれど、ひろみさんが、笑いながら、



「いいよ。送っていくから。」



と、言ってくれたのを、寝たふりをしながらうれしく聞いていた。



組子のほとんどが帰った後も、私がまだ、ひろみさんの肩に頭を預けていると、そっとひろみさんが、私の肩を揺らしてきた。




「テル〜?立てる?そろそろ帰るよ・・・。送ってくし・・。」




「ん・・・。」




今まさに目が覚めましたという顔をして私が頭をゆっくり上げると、心配そうなひろみさんの瞳とぶつかった。


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