幻想 −鬩ぎ合い−
□見つめる視線 (熱い視線U)
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でも、寂しさは隠せなかったみたいで・・・。
楽屋を出た途端、ぽろぽろと涙をこぼすひろみ。
楽屋から、死角になる通路の椅子に並んで座りながら、静かに、ただ、静かに、涙を流すひろみをみつめる。
「・・・・・。すいません。」
しばらくたった後、ひろみが静かに呟いた。
「ええよ。そんなん。気にせんで。」
私のそばで泣くのなら、いくらでも泣かせたる。
私が知らないところで泣いてるなら、ゆるせへんけど。
私の横で泣くなら、いくらでも泣いてえーよ。
そう思ってるから。
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