幻想 −鬩ぎ合い−
□縋る視線 (熱い視線Y)
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待ち合わせの時間からもう5分過ぎている。
普段なら決して遅れてくるような子ではないから、なにかあったんやろうかと心配になってしまう。
何度も携帯を開いては確認するが、鳴る気配はまったくない。
いったいどうしたんやろ。
こちらから、連絡してみようとあの子の番号を検索する。
暫し、コールがなった後、繋がるなりしゃべりだすあの子
「すっすいません!!もうすぐ着きます!あ、ゆみこさんが見えた!」
あわてて向こうから、走ってくるあの子の姿が見えた。
「ええよ。そんなに待ってないから。走らんで。ゆっくりおいで〜。」
笑いながら携帯を閉じ、走ってくるあの子に目を向ける。
なんや、めっちゃあわててるやん。
寝坊したんかな〜?なんてふんわり微笑みながら、あの子にむけて軽く手をあげる・・・!!!!
え?
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