幻想 −睦み合い−
□さくらんぼ
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「ねえ。ようこ。」
目線は、ダイニングテーブルの上にあるお皿にのった綺麗なさくらんぼに落としながら、かしちゃんが声をかけてくる。
ちょっと待っててよ。今、コーヒーいれてるんだから。
「ねえ。ようこ。さくらんぼと言えばさ〜。」
「ん〜?何?」
かしちゃんの分も入れたコーヒーを両手に持って、かしちゃんの横に腰掛けながら、おざなりに返事する。
「・・・ありがとう。」
「ん。」
「・・・・・。おいしい〜。」
「よかった。で、さくらんぼがどうしたの?」
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