幻想 -慈み合い−
□トラファルガーA
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”今日から日記を書くことにした。
艦長に字を覚えるために日記でも書けばいいと言われたからだ。
今日も。
夜が更けた頃、艦長の部屋にトマスの旦那がやってくる。
そうしたら、俺は部屋に戻っていいよ。って言われるんだ。
でも、ぐずぐず食器を下げたり、テーブルを拭いたりしていたら、後ろから、トマスの旦那が、俺の持っている布を取り上げるんだ。
もういいよって。
おやすみってやさしい笑顔で言ってくれるんだけど。
絶対。
絶対早く俺を追い出したいんだ。
追い出した後。
絶対二人でおいしいものを食べてるんだ!
内緒で食べてるんだ。
俺には分けてくれないんだ!
絶対そうだ!
ずるい!
大人はずるい!”
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