幻想 -慈み合い−
□疑心暗鬼
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「眉間に皺。寄ってますよ?」
私の両脇を固める、86期コンビ。
久しぶりのそのコンビになんだかほっこりする。
でもやっぱり眉間の皺は、なくならない。
「うるさい。」
思わず邪険に扱うんだけれど。
「うわ〜。怖い怖い。づっく〜ん。ひろみさんが尖ってて怖いんだけど〜?」
「だめですよ〜。ひろみさん。すま〜いる!スマイル!」
私のほっぺをつまんで、ムニューってひっぱるな!
「ちょっと!づっくん。痛いってば!」
慌ててほっぺたを押さえながら、逃げるんだけど。
ケタケタと笑う二人につつかれる。
「なんで、そんなにつんけんしてるのかな〜?」
「ね〜。なんでだと思う〜?ぐっちゃん。」
「そりゃあ、うちらの同期が問題だったりして〜?」
「え〜。意外にわかりやすいね〜?ひろみさんってば。」
「かわいい〜!!」
「うるさい!」
両側からからかわれて。
むすっとなってたんだけれど、気がついたら、最初に眉間に寄った皺がなくなってることに気がついた。
それとなく、気を紛らわせようとしてくれたんだろう。
でもね。
無理だから。
いやでも目に入る斜め後ろでの様子に再びイライラしてきた私。
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