夢想 −褒め合い−

□俺の幼馴染
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「怒ってる音さんって本当に可愛らしいよね。」





太陽の光に晒されて、キラキラ光っている少し長い前髪をさらりと掻き揚げる姿も絵になるな、なんて思いながらぼおっと見とれていたら、突然意味のわからないことを言われて、一瞬会話についていけなくなる。





「え?」


「だからぁ、音さん。怒るとさ、ちょっとほっぺたが膨らんで、本当に可愛らしいんだよね。だからついつい怒らせてしまうのかなぁ。」





流れる雲を見ながら、二人して運動場の端っこでぼおっと座り込んでいる。


目の前では、順番に短距離のタイムを計っているのだけれど、計り終わった俺たちは特にすることもないので、方々に散らばってくつろぎタイムを貪っている最中だ。


もちろん、何をするにも大抵一緒の俺たちは、当たり前のように、みんなから、少し離れて座り込んで、何をするでもなく、空を見上げていた。


かなめはただ、雲の流れを目で追っているようで。


そんなかなめの様子をただぼおっと見つめていたのが俺。






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