幻想 −紡ぎ合い−

□赤いチョーカー
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「あれ?ひろみさん、今外ですか?」





公演から帰宅して。


どうしても、ひろみさんの声が聞きたくて、電話してみたら。


がやがやとうるさい騒音を背負ってひろみさんが電話に出た。





『うん。今ちょっと外にいる。でも大丈夫だよ。どうしたの〜?』


「ひろみさん。もう公演終わりましたよね?」





電話の向こうでくすくす笑うひろみさんに冷たく聞いてみる。





『うん。無事千秋楽を終えたよ??楽しかった〜。本当に毎公演楽しいんだけれど、今回はまた特別に楽しかった〜♪』





もう、にこにこ笑ってるのが目に浮かびますよ。





「何がそんなに楽しかったんですか・・・・・って!!!ちょっと!!これ!なんですか!!!!!」





電話をしながら、とりあえずでつけていたテレビ。


とりあえずで流れていたCS。


そして、とりあえずで映っていたのがニュース。


それも、雪組さんの千秋楽の様子。


ああ、いずるんさんが最後なんだなとか思って映像を目で追いかけてたんだけど。


そこに映し出されたのが、ひろみさん演じるクララちゃん。


うん。今日もかわいい、って思ってたのに。


なっ!!


・・・・・・・・・。緒月・・・・。殺す・・・・・。





『なになに〜?なに見てるの〜?』





暢気な声が騒音に混じって、電話の向こうから聞こえてくるんだけれど、今はそれどことじゃないです。


なにされてるんですか?


公衆の面前で、セクハラされてるじゃないですか!


それも。。。。緒月・・・・・。


あいつっ!










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