幻想 −紡ぎ合い−

□電話ひとつで
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「ひろむ。今何時?」





折角の休演日。


なのに、今日は、お仕事が入ってて。


あさこさんと、一緒に取材を受けていた。


さっきから、休憩になったり、ちょっと、記者さんが席をはずした瞬間を狙って、何度も何度も聞いてくる。





「まだ、はじまってませんって。」





なにも、あさこさんだけが気になってるわけじゃない。


私だってめっちゃ気になってて、さっきから、何度も時計を見てるんやから。





「な・・なによ。そんなきつく言わなくてもいいじゃない。」


「だって、さっきからしつこいんですから。まだ、昼回ったばっかりですやん。まだまだですって。ちょっと落ち着いてくださいよ。」


「・・・・・。いいよね。りゅうちゃんはお休みで!」





もう、目が、なんで今日仕事がはってるんだといわんばかりで、私を睨んでる・・・。


せやけど、私が仕事入れたわけじゃないし。


りゅうさんだって、休みだけれど、博多までいけるわけではなく。


昨日、さんざん愚痴られたけれど。


どうやら、あさこさんはりゅうさんが博多に行ってるとでも思ってるんだろうか。


どっちにしても、私に当たらないでほしい。


私だって、休みなら、公演中じゃなかったら、確実に博多に駆けつけてるもん。


思わず目の前にある珈琲をがぶ飲みしてしまう。








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