幻想 −紡ぎ合い−
□手錠
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「これな〜んだ。」
にっこり微笑むちかさんの『作り笑顔』にどきっとする。
こういう笑顔の時のちかさんには要注意だ。
絶対妖しいことを考えている。
絶対そう。
「そんな後ろに隠してたらわかるわけないじゃないですか。」
ソファでくつろいでいた私の前に座り込んだちかさんが、両手を後ろにして、何かを後ろに隠した状態で。
にこにこ『作り笑顔』で笑って。
みなこじゃないけど。思わず
「きしょい・・。」
「な!失礼だな!このスマイルを捕まえてそれ!言う?」
ちょっと立てひざで、私と目線をあわせてくるちかさんに。
思わず及び腰になって。
後ろに仰け反ってしまう。
「・・・すいません・・・。でも、無理ですから。」
とりあえず、前もって拒否しておく。
ま、なんの意味もないんだろうけれど、とりあえず拒否はしておく。
「まだ、何も言ってないのに。。。。でも、こういうときのひろみは感いいよね。」
あ、妖しく目がきらめいた!
と思ったら。
後ろ手にしていた両手を前に差し出してくる。
その手に乗っているのは・・・・・。
手錠・・・・・・。
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