幻想 −紡ぎ合い−
□Birthday
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気だるい目覚めにすこし違和感を覚えて。
昨日のことを思い返してみる。
そうだった。
昨日、誕生日のお祝いだからと、公演が千秋楽を迎えた月組組子がわんさかと私の部屋になだれ込んできたんだった。
大好評だったミュージカルの公演も無事に終了し、ちょうど私の誕生日が千秋楽だったから、あさこと一緒に夜は過ごそうね、なんて電話で数日前に笑いあっていて。
東京で仕事をしていた私は当日(昨日だけれど)昼間にこっちに戻ってきた。
あさこがご飯は用意するから何もしなくていいよって言ってくれて、公演中で忙しいのになんて断ったんだけれど、誕生日なんだから、私が用意するの!って息巻いてるあさこにわかったわかったって思ってて。
本当に何も用意せずにあさこの訪れを待っていたら。
チャイムとともになだれ込んで来た月組生たち。
そして、最後に心底いやそうな表情のあさこが入ってきて。
爆笑してしまう。
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