幻想 −馴れ合い−
□せつなさを慰めて
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テルがもう少しでいなくなってしまう。
私が雪に来てから。
もうずっと。
横にいるのが当たり前で。
お互いに、フォローしあいながら。
慰めあいながら。
労わり合いながら、いままで過ごしてきた。
いつの間にか、そういう間柄になっていたけれど。
それでも、お稽古場ではお互いに尊重しあい。
やっぱり助け合っていた。
それが、もう少ししたら、隣にいるのが当たり前のテルがいなくなるのかと思うと。
少しでも一緒にいたくて。
楽屋でも、時間を惜しんで一緒にいたくて。
寸暇を惜しんで、テルのそばにいく。
でも。
人気者のテルはやっぱり色々な人に囲まれていて。
なかなか近くに行くことができない。
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