幻想 −馴れ合い−
□体半分の隙間
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〜side.A〜
久しぶりの逢瀬だからか、いつもより激しく貪欲に求めてしまった。
もちろん、それに全力で答えてくれるから。
愛しい人は、気を失ったように、倒れ込んでしまっている。
「ごめんね。」
そっと、目蓋にかかる前髪を軽く掻き揚げてあげながら、そっと囁く。
「ん・・・っ・・。」
小さい吐息とともに、寝返りを打つ愛しい人。
でも、私に背を向けるなんて許さないよ。
私から離れてしまった体半分の隙間を軽く詰めて、背中を向けている愛しい人を後ろから抱きしめる。
そっと前に腕を回して抱き込むと、そのまま私の手の甲にそっと手のひらを合わせてくる。
なんだ、起きてたのか。
「気がついたの?」
耳元で囁くようにハスキーな声を出すと。
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