幻想 −馴れ合い−
□焼きもちの妬かし方
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「ゆみこさん。」
「あ、ゆみこさんまってください。」
「ゆみこさ〜ん!!」
最近、いつもいつもゆみこさんの後ろを追いかけてるひろみさん。
といっても、お稽古場が違うから目に入るわけではないのだけれど。
『さっき、ゆみこさんとひろみさんが二人で空き教室でお稽古してたよ。』
とか。
『あれ、ゆみこさんとひろみさん一緒に帰って行ったよ?』
とか。
いやでも耳に入ってくる二人の仲むつまじい様子。
さらに。
食堂や、休憩室ですれ違うひろみさんのそばには、いつもゆみこさんがいて。
甲斐甲斐しくゆみこさんの世話を焼いているひろみさんがいて。
私とすれ違っても気付きもしないひろみさんがいる。
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