幻想 −紡ぎ合い−

□いやがらせ
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あっさりと承諾を得た私は、誰にも内緒で当日を迎える。


朝、星の楽屋に入ろうとする、づっくんを辛うじて捕まえて。


びっくりしてるづっくんに一言。





「チギとチェンジしたの。」





素直なづっくんはにっこりとなんの疑いも持たずにじゃあ、一緒に行きましょうと誘ってくれる。


もちろん、一緒に行きますよ。そのためにチギに変わってもらったんだから。


大部屋では、すでにウォーミングアップを済ませた星組の組子たちが各々開演前の一時を過ごしている。


私は、もちろん。同期の元に。


ただし、づっくんの腕に自分の腕を絡めながら。


そして寄り添いながら。


だって、づっくんは、私の同期の後ろあたりに座っている、づっくんの同期に会いに来たんでしょ?


私は、ちがうけれど。








「ちえ。来ちゃった。」







とびっきりの笑顔と共にどこの彼女だ?って感じのコメントを可愛らしく言ってみる。





「うわ〜。ひろみ。あれ〜?午後からって言ってなかったっけ〜?」






びっくりした表情のちえににっこり微笑みながら、あえて一言。







「うん。本当は午後の予定だったんだけど、緒月が朝を見るっていうから。せっかくだし、一緒にね。」






うふふと微笑みながら、ちらりと後方で同期と話しているだろうづっくんに目線を送る。


そして、約1名の標的に聞こえるように畳み掛けることを言う。







「それに、ちえの姿も少しでも早く見たくって。」







とたん、ぎゅっと抱きしめられる私。


もちろん、ちえが私のこんな可愛いせりふを聞いて、普通に座っていられるわけがないことは重々承知の上。












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