幻想 −紡ぎ合い−

□電話ひとつで
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「あ〜!!なんでなんで!!」





突然、携帯を見ていたあさこさんが大声を上げて部屋中の注目を集める。





「な、なんですのん。急に大声ださんといてください。びっくりするわ。」





隣に腰掛けてた私はびっくりして、椅子から落ちるかと思うくらいの大声を出すんだから。





「なんなの〜!ともよ!ずるい!何?急遽お稽古が休みって何?何でよ!!!」





いや、だから、私に当たらんとってください。


私の上着をがしっと掴んで、思いっきり揺さぶってくれるあさこさんに。


ぐらぐらと体をゆすられて、うげってなりながら。





「なっなんですか。ともよさん・・?」


「ともよ!今日急遽お稽古が休みになったんだって!だから博多に来てます!だって!!!ずる〜い!」





いや、ともよさんは同期なんだし。


お休みなら当然行くでしょう。


たとえ日帰りでも駆けつけるでしょう?


あさこさんだって、もし休みだったら当然行ってるでしょ?


なのに、ずるいって・・・。







「ゆうひさんだって、同期が来てくれてうれしいんと違います?」






正論をちょっと言ってみたんだけれど。


そんな冷たい視線送ってこないでくださいよ。


ほんまめっちゃ怖いんやから。





「花組のお稽古が休みってことは、あの、生意気な下級生コンビも休みってことじゃない。いやだ〜!!絶対今度会ったりしたら、自慢されるんだ!駆けつけれてよかったです。とかって、嫌味に言われるんだ!考えただけで、むかつく〜!!」





隣でぎゃーぎゃー騒いで、無意味なことを想像しないでください。


花の下級生コンビって、ゆうとえりたんのことですか?


あの二人だって、お稽古が休みでも仕事があるかもしれへんねんし、博多に行ってるとはかぎらないっていう考えは浮かばないんですかね。


もっと、言ったら、自慢されるとか想像してはりますけど、あの2人だって、あさこさんが今日休演日って知ってるんだから、博多に行ってると思ってるかもしれないっていうことは、考え付かないんですかね・・・。


ほんと、自己中なんやから。。。。。









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