幻想 −馴れ合い−

□せつなさを慰めて
2ページ/4ページ





やっぱりみんな思ってることは一緒なんだろう。


少しでも一緒にいたいと思うんだよね。きっと。


仕方がないので、あきらめて自分の化粧前に戻ろうとしたら。





「ひろみさん。こっち来てくださいよ。」





うれしそうに微笑みながら私を見てくれる。


呼ばれてふらふらとそばにいくんだけれど。


何を話したらいいのか、わからなくなってしまって、無言になってしまう。





「ひろみさん?どうされたんですか?疲れましたか?」





私よりすこし背の高いテルが覗き込むように私を見て聞いてくる。


その労りの眼差しに。


感極まって涙がでそうになる。


もう、こうやってわたしを労わってくれることもないんだと思うと・・・・。


でも、涙を見せたくなくて、思わずテルにしがみついてしまう。





「ひっひろみさん?どうしたんですか?なにかあったんですか?誰かにいじめられたんですか?」





見当違いのでも、私を心配してくれる言葉の数々に。


ますますしがみついてしまう。








次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ